YouTubeのコメント量が40%も減少しています。
以前に他の記事でサラッとお伝えしましたが、この減少はYouTubeのコメント投稿方法の変更に由来するもの。
既にご存知の方も多いように、ユーザーはYouTubeにコメントを投稿する際、Google+にログインしなきゃならなくなったんです。
Googleの公式発表によれば、今回の変更はコメントを見やすく、かつ関連性や重要性の高いコメントへのアクセスを高めるための変更とのこと。
しかし蓋を開けるとユーザーからは不満続出。
Googleへの文句を歌に綴った動画も流行りましたね。
http://www.youtube.com/watch?v=LTq8TrA3hb4
なぜGoogleはこれだけの不満を前にコメント投稿機能の変更を貫くのでしょうか?
クリーンな広告メディア
ビジネスの観点から言って、YouTubeの価値はただエンターテイメントを提供することに尽きません。
YouTubeの真の価値は、毎月10億人以上のユーザーを集める広告メディアとしての魅力にあるのです。
2012年度にYouTubeが生み出した利益は約4,000億円。
今年度は更に20%の成長を経て5,000億円に届くとも言われています。
そしてこの収益の大半を占めるのはもちろん広告収入。
皆様が動画を再生する度に流れる15秒間の広告やディスプレイ広告がYouTubeの収益源となっているのです。
YouTubeのような広告媒体の価値を図る上で、ページビューやユニークユーザー数は欠かせない量的指標です。
一方質的観点で重要なのは広告媒体のイメージ。
ネガティブな発言やいかがわしい情報ばかりが掲載された広告媒体は、万人受けする広告メディアにはなりづらいのです。
「動画を見にきてるんだからコメントなんて見ないよ」
そんなユーザーも多いかもしれませんが、コンテンツによってはネガティブなコメントも多いユーチューブ。
広告メディアとしての価値に傷がつく危険性を抱えていることに違いありません。
コメント投稿にGoogle+へのログインが義務付けられた背景には、「悪質なコメントがGoogle+を通じて知人に漏れるリスク」を利用して、YouTubeをクリーンな広告メディアへ成長させたいというGoogleの思惑があるのです。
Googleの思惑への裏付けとして、先日Googleが広告代理店大手のPublicisと大型契約を交わしたことが挙げられます。
テレビや紙媒体と深い関係を持つPublicisと組むことで、既存媒体のみに広告を出稿してきた企業がより簡単にYouTubeに広告を出稿できるようになったというわけです。
ユーザーへの配慮を不意にすることで今後YouTubeの業績に悪影響が出るのか、観ものです。
まとめ
- ・ユーチューブがコメント投稿機能を変更し、ユーザーにGoogle+へのログインを義務付けています。
- ・不満続出の新コメント投稿機能は、ユーザー本意ではなく広告メディアとしての価値向上が目的と推測されます。
- ・今後この変更がユーザーの心理やYouTubeの業績にどう働くか、注目です。