フェイスブックがついにニュース配信事業に本格参入する模様です。

フェイスブックが近々発表すると推測される新ニュースアプリ「Paper(仮)」。予てよりニュース事業への参入を噂されてきましたが、なぜ今フェイスブックはニュース事業への参入を考慮しているのでしょうか?そして、フェイスブックは一体どのようなニュースアプリを発表するのでしょうか?その謎に迫ります。

競合の圧力とマネタイズのチャンス

AOLのローカルニュースメディア「Patch(パッチ)」が昨年大幅な人員削減に至ったように、ニュースビジネスは世界的に見ても決して万事順調な事業ではありません。

しかし、大手ソーシャルメディアやニュースメディアはニュースビジネスにより多額の利益を生んでいると伝えられており、フェイスブックもグーグルに次ぐ他サイトへのリファラル数を活かして、「ニュースのキュレーションサイト」としての地位を確立したい思惑が見受けられます。

実際に以下のようなニュースも出回っており、フェイスブックの焦りも当然といえば当然なわけです。

  • Yahoo!は一日に数回ユーザーの興味関心に沿ったニュースを要約して配信してくれる新ニュースアプリ「New Digest(ニューダイジェスト)」をつい先日発表しています。
  • ツイッターはニュース記事の拡散に頻繁に利用されており、これらのツイートと関連した広告から何百億円もの利益を生み出していると伝えられています。
  • 新聞社のニューヨーク・タイムズも厳しいニュース市場で踏ん張りを見せており、今では有料記事からの利益が広告収入を上回っているとも言われています。

今回のニュースはgrowth hack japanを含むニュースメディアにとって一見嬉しいお知らせのようにも聞こえますが、実際はそんな甘いモノではありません

フェイスブックはかつて企業ページを無料で作成できることで法人に優しいSNSとして名を馳せましたが、その後はアルゴリズムの調整により企業ページの視認性を押し下げ、意図的に広告出稿を促した経緯も存在します。つまり、もし今後フェイスブックがニュースのキュレーションサービスとしての地位を確立したとしても、人気のないニュースメディアは結局広告費を割いてニュースを読んでもらうことになることが容易に予測できるのです。

Paperに関する憶測

まだまだ謎の多いフェイスブックの新ニュースキュレーションアプリ「Paper(ペーパー)」ですが、既に様々な噂が飛び交っています。

  • UIは、人気ニュースキュレーションアプリ「Flipboard(フリップボード)」を意識?

flipboard

(フリップボードのデザイン)

真相は定かではありませんが、ペーパーのUIはアメリカで大人気のニュースキュレーションアプリ「Flipboard(フリップボード)」を意識しており、ユーザーはスマホやタブレットの画面を上下にスワイプすることで次のカテゴリや記事に移動できるようになると予測されています。

  • ・かわいい猫や赤ちゃんのニュースなんていらない?

フェイスブックのエグゼクティブであるクリス・コックス氏はこれまたアメリカで大人気のニュースキュレーションサイトである「BuzzFeed(バズフィード)」を毛嫌いしていると伝えられており、良くも悪くもバズフィードの特徴である有用性の低いくだらないニュース(例えばかわいい猫や赤ちゃんのニュースなど)は配信せず、重要で関連性の高いニュースが中心に配信されると予測されています。

  • ・ニュースもやっぱりソーシャル

フェイスブックをニュース調達の拠点にする最大のメリットは、友人が気になっているニュースが受信出来ることでしょう。単にあなたの興味関心に基づいたニュースをキュレートするのではなく、あなたと接点の多い友人のニュースを中心に受信できたり、現存のネットワークが最大限活用されることは間違いありません。

サマリー

  • ・フェイスブックは、ニュースキュレーションアプリ「Paper(ペーパー)」の発表を機に、近々ニュース事業に本格的に参入する予定です。
  • ・この動きの裏には、大手メディアが続々とニュース事業で利益をあげている背景が存在し、フェイスブックもマネタイズのチャンスを睨んでいる様子です。
  • ・フェイスブックが贈る新ニュースアプリ「Paper(ペーパー)」は、①「Flipboard(フリップボード)」のようなUI、②重要で関連性の高いニュース記事を中心に配信、③現在のソーシャルネットワークを最大限活用したニュースをキュレートするのではないかと推測されています。