コーディング学習サービス「Code.org」が提供するコード学習アプリ「Hour of Code」が、たった5日間で1,500万人のユーザー登録を達成しました。

1,500万人といえば、あのフェイスブックが3年かけてようやく達成したユーザー数。Code.orgはいかにしてこの偉業を成し遂げたのでしょうか。

Optimizely

Optimizely(オプティマイズリー)」は、サイトデザインの変更が各種メトリックにどのような影響をもたらすかを可視化するA/Bテストに特化したグロースハックツールです。

以下の動画からお分かり頂けるように、Optimizely(オプティマイズリー)を使えば、デザインや文言の変更と変更によるコンバージョンレートの推移の計測が簡単に実行出来るのです。

今流行りのバイラルメディア「Upworthy」やおしゃれなデザイン雑貨や家具の通販で人気の「Fab.com」も、このOptimizely(オプティマイズリー)を利用してユーザー獲得を大きく改善したことで知られています。5日間で1,500万人のユーザー獲得に成功した「Code.org」の「Hour of Code」は、Optimizely(オプティマイズリー)の実績に更なる華を添えたと言えるでしょう。

では、実際にCode.orgはどんなA/Bテストを行なったのでしょうか?

Code.orgがこだわった2つのポイントを見てみましょう。

①ユーザー登録ボタンの文言

Code.orgがランディングページの最適化で特にこだわったポイントの1つがユーザー登録ボタンの文言です。

「そ、そんな細かいところ…」と思われるかもしれませんが、グロースハッカーはこうした些細な箇所ひとつひとつにこだわり、結果としてサービスに大きなグロースをもたらしています

実際に有名サービスのユーザー登録ボタンの文言を見てみると、それぞれ違った文言を使用しており、正解が1つではないことがお分かり頂けるかと思います。

サインアップ(Evernote)

サインアップ2(Facebook)

サインアップ3

(Twitter)

Code.orgは「join us(参加しよう)」と「learn more(詳しく見てみる)」の2種類の文言でA/Bテストを行なった結果、「join us」の方がより良いコンバージョンレートをもたらすことを突きとめました。

「Hour of Code」は、「全ての学生が1時間でもコンピューターサイエンスを学ぶ機会をもつべき」という理念に基づいたプロジェクトであり、「コミュニティに加わろう」というメッセージ性がより強い「join us」が効果的だったことも肯けますね。

②キャンペーンメッセージ

21世紀へようこそ。私達が1,000万人の学生とコンピューターサイエンスを引き合わせるための力になってください。必要なのは1時間のコーディングだけ。(Welcome to the 21st Century. Help us introduce 10 million students to computer science. All it takes is one Hour of Code.)」

上記はローンチ直後に用意された「Hour of Codeの」キャンペーンメッセージですが、こちらもOptimizely(オプティマイズリー)で最適化した結果、「全ての学生に1時間のコーディングを。コンピューターサイエンスは全ての生徒にとっての基礎となります。1,000万人の学生がコンピューターサイエンスに触れるための力になろう。必要なのは1時間のコーディングだけ。(An Hour of Code for every student. Computer Science is a foundation for every student. Help introduce it to 10 million. All it takes is one Hour of Code.)」に変更されました。

optimize

英語なのでニュアンスは伝わりづらいかもしれませんが、「Hour of Code」のユーザー登録ボタンの文言とキャンペーンメッセージを最適化しただけで、800万人以上のユーザー登録にOptimizely(オプティマイズリー)は貢献したと言われています。

Code.orgに既に一定の認知度があったことに間違いありませんが、小さい変化が大きな効果を生む、グロースハックの素晴らしい一例であることに間違いはありません。