edited by Ryutaro Mori
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リファラル。
グロースハックと聞くと、多くの方がまず先に思い浮かべるのがサービスの招待や招待を意味するリファラルの部分です。
本日は、そんなリファラル施策を見直す上で欠かせないポイントを11個紹介します。
スマートな印象
PayPalのグロースチームを統括するスタン・チャドゥノフスキー氏は、プロダクトを紹介することで、被紹介者に対してスマートな印象を与えられることがグロースするサービスの特徴であると語っています。
「スマートな印象」とは、必ずしも「仕事のデキるビジネスマンが必携するアプリ」といった印象だけではありません。
同じコミュニティに属する仲間や生活リズムをともにする友人知人に対して、「このアプリを使えば、もっと生活が豊かになるよ」という印象を与えることが重要なのです。
たとえばTinderは、それだけを見ると単なる出会い系アプリに過ぎず、スマートとはほど遠い印象です。
しかし、もしTinderを愛用する紹介者が気軽な出会いを求める被紹介者に対してTinderを紹介すれば、その印象は「スマート」な印象へと変わります。
とはいえスマートな皆様ならもうお気づきの通り、スマートな印象は一朝一夕で築けるものではありません。
以下では、スマートな印象作りに貢献する施策も紹介しています。
プロダクト
穴だらけのプロダクトを誰かに紹介したいと思うでしょうか?
リファラルというかっこいい言葉を使いたい気持ちは抑えて、まずはプロダクトを最適な状態に整える努力を重ねましょう。
使うケースにもよりますが、リファラルは必ずAARRRの最後か最後から2番目のR、つまりリテンション(継続利用)の後にやってきます。
ユーザーはプロダクトに魅力を感じているからこそ継続的に利用するわけで、リテンションの大本となるプロダクトの改善無しにリファラルを語るのは大きな間違いです。
紹介者が得る価値
リファラルを促す最大のモチベーションは、プロダクトを紹介することで、紹介側がプロダクトから得る価値が向上することだと言って過言ではありません。
一方で気をつけたいのは、ここで言う価値が必ずしもクーポンやその他のインセンティブではないということ。
たとえばLINEというアプリに対してあるユーザーがその利便性に価値を見出した時、関わりのある全ての人とLINEを通じてコミュニケーションを取ることが出来たらと願い、友人知人にLINEを紹介するかもしれません。
このリファラルは純粋に「利便性」という価値を高めるための紹介行為であり、あからさまなインセンティブに促された行動ではないのです。
被紹介者が得る価値
リファラル施策を考慮する際に忘れられがちなのが、紹介を受ける被紹介者が得る価値です。
リファラルの成功とは、紹介されたユーザーが該当プロダクトに価値を見出し、更に別のユーザーに紹介するループを創り出すこと。
つまり、単純に既存ユーザーに紹介状を送信させるのではなく、被紹介者にしっかりと価値を感じてもらう努力が欠かせないのです。
可能であれば紹介者同様にあからさまなインセンティブ無しでリファラルを成立させたいところですが、Dropboxのようにサービスを紹介された側にもインセンティブを与えることを考慮しても良いかもしれません。
紹介者が受け取るインセンティブの種類
なんだかんだ言っても、インセンティブはユーザーの紹介行為を促す上で効果的な役割を果たします。
Uberのキャッシュバック施策も大きな効果を上げているとされており、資金に余裕があればぜひ試したいという気持ちもよく分かります。
しかし、インセンティブはクーポンやキャッシュバックなどの金銭的なものだけではありません。
たとえばDropboxは、友人にサービスを紹介すると500MBのフリースペースを手に入れる施策を行いました。
Uberの対抗馬Lyftも、1回のライドが無料という施策を行っています。
あまり意識されませんが、紹介者が金銭的インセンティブを受け取るか非金銭的インセンティブ受け取るかで、被紹介者の心理は大きく変わります。
たとえ同じ価値だったとしても、被紹介者からすれば、紹介者が直接お金をもらうことは「自分を利用した」と感じやすい傾向にあるのです。
紹介チャネル
Facebook、Twitter、Email、LINE、などなど、ユーザーがアプリの紹介に使うチャネルは様々です。
ユーザーの特性を理解して予めいくつかのチャネルを用意することはもちろんですが、その後はデータ解析を通じてチャネルの削除や追加、順番の入れ替え等を行いましょう。
以前growth hack japanで紹介したCunPicは、SNSごとの投稿数を調べ、それに応じて表示順を変更する施策を行っています。
紹介文の最適化
単純にURLをシェアされて、該当プロダクトを作ってみたいと感じる見込みユーザーがどれだけいるでしょうか。
見込みユーザーからすれば、実際に使っているユーザーから使用感の感想を聞いて初めて興味が沸くものでしょう。
一方で、紹介者からすれば、わざわざレビューや紹介文を書くのは非常に面倒なこと。
この手間を省くために、予め制作側で用意した紹介文をデフォルトで貼付けておく施策は効果的です。
しかし、良いところばかりを並べた明らかに自演感満載の文章では却って紹介行為を妨げてしまう事態にも陥りかねません。
プロダクトが提供する一番の魅力を簡潔に伝える文章を考案し、たえずA/Bテストを行っていく必要があるのです。
リファラルを求めるタイミング
自発的なリファラルが最適であることに変わりありませんが、ユーザーが自発的にリファラルに踏み切らないのであれば、こちらからリファラルを求めることも時には必要です。
その際に必ず注意を払いたいのがタイミング。
たとえば登録をしてまだ間もないユーザーに対してリファラルを求めても、サービスに愛着を持っていないユーザーが紹介行為に踏み切るわけがありません。
リファラルを求める際は、一定以上の継続利用を続けているユーザーに焦点を当てるとよいでしょう。
また、ユーザーがサービス内で何かを行おうと試みるその瞬間にリファラルを求めては、ユーザーの立場から心地いいわけがありません。
リファラルを求める際は、作業間の待ち時間や作業終了後に行うのがよいでしょう。
パーソナライズ
パーソナライズが基本のこの時代に、未だにつながりのある友人に対して一度に紹介メッセージを送らせる(もしくはデフォルトで全コンタクトがチェックされている)サービスを多く見かけます。
FacebookやTwitterログインを通じて得たコンタクト情報の有用性は、その量ではなく、個人的な繋がりにあることを忘れてはいけません。
たとえばあなたがカレンダーアプリを提供するのであれば、単純に「一斉送信でこのアプリを勧める」のではなく、「(あなたの友達)Aさんは、スケジュール管理に困っていませんか?」といった文言とともに、パーソナル感を演出するとよいでしょう。
競争原理
Dropboxは、どの大学が最もDropboxを利用しているのかを競わせ、ランキングを発表し、賞品を与えたことで大きなリファラル効果を生みました。
大学という分かりやすいコミュニティを利用したことにより、仲間意識や他校への敵対心が上手く作用した素晴らしい施策です。
ユーザーの特性を理解した上で、リファラル強化に向けてレバレッジをかけられるコミュニティはないか、じっくり考えてみるとよいでしょう。
プロモコードの最適化
インセンティブを与えるなら、長ったらしいプロモコードを使うのはもうやめましょう。
「どうせコピペするから長いリンクでも良いでしょ」という考えは、あらゆるユーザーを想定しているとは言えません。
スマホだとコピペが面倒くさい、そもそもコピペの方法を知らないユーザーも存在するということを想定して、原則短いプロモコードを使いましょう。
たとえばUberのプロモコードは、どのプロモーションを見ても非常にシンプルです。