Translated by Takaya Uchida
「トラフィック獲得に欠かせない12のプル型テクニック」では、ハッカソンの開催を通してトラフィックを獲得する方法をご紹介しました。
今回は、ハッカソンを開催する上での注意点と、開催することが企業の大小にかかわらず有益である理由を述べていきます。
本記事はEntreprenuer.comに掲載された記事(原題:Why and How to Host a Hackthon)を参考に著者が執筆したものとなります。
ハッカソン開催の利点
ハッカソンは、新しいアイディアを試したり、協働経験のないプログラマーと交流したり、と景品が無くともボランティアで参加する意義をプログラマーに与えます。
そしてそれと同様に、もしくはそれ以上の利益を享受するのが開催企業です。
想像してみてください。
例えばあなたのスタートアップは社内に少人数の開発チームしか抱えておらず、プロダクトのローンチにはもっと多くのプログラマーの馬力を必要としているかもしれません。
それとももしかしたら、あなたはWikipediaのように確立された組織に所属し、既に持っているプロダクトが新しい方法でテコ入れされる様子を見てみたいという立場かもしれません。
どちらの場合に置いても、ハッカソンはあなたが求めていたことや自分では思いつかなったであろう発想を持つ独創的なプログラマーを一同に会することができる絶好の機会になりうるのです。
電子化された楽譜をタッチスクリーンを介して操作できるサービスを提供するIMUZIKは、2012年のローンチ以来、コードを改善させるために複数回ハッカソンを開催してきました。
主催のIMUZIKはこれらのイベントを「音楽のためのハック」と称し、「音楽をテクノロジーと統合する」というキャッチコピーとともに、プログラマーやソフトウェア・ディベロッパーを呼び込んでいます。
ディベロッパーがハッカソン向けのチームを組織したり、ハッカソンの運営側がハッカソンの告知を行えるソーシャルプラットフォームを提供するHackatopia.comの創業者兼ソフトウェア・ディベロッパーであるPeter Morano氏は、元々ボランティアで数々のハッカソンに参加していました。
ハッカソンでの経験から、Peterはスタートアップのためにハッカソンの企画・運営を行うようになり、ついにはハッカソン開催前に必要な参加者の登録や優勝者に提供する景品の調達等の裏方の作業を引き受ける会社を持つまでになったのです。
ハッカソンを企画・運営する上でのテクニック
では、実際に自社主催でハッカソンを開催したいとき、どうすればよいのでしょうか?
以下では、IMUZIKのCessnaやHackatopia.comのMoranoから学べるレッスンを紹介します。
・ハッカソンの管理運営を徹底する
ハッカソン開催中は、ハッカソン本番のオペレーション以外にも、会場で提供する食べ物や景品の調達を含む様々なタスクが発生します。
十分な予算を準備し、イベントが滞りなく実行されるように注力しましょう。
・開催するハッカソンが簡易なものか入念に準備されたものにするかの選択は早めに行う
簡易なハッカソンでは、ボランティアで参加するプログラマー達が週末を通してコーディングする形式となり、あまり準備も求められないでしょう。
一方、入念に準備されたハッカソンでは、①共催企業の公募、②景品の決定、③広報、④審査基準の明確化、⑤チーム編成、⑥ルールの決定などの準備に大きな時間と工数を割く必要性があるため、十分な計画性が必要です。
・ハッカソンの開催を通して何を成し遂げたいのかを明示する
ハッカソン開催に関する告知を始める時点から、ハッカソン開催の目的を自社の社員や外部のプログラマーやデザイナーに丁寧に伝えることを心がけましょう。
例えばWikipediaの場合は、ハッカソンの開催によりWikipedia自体に新しい風を吹かせ、Wikipediaを活用したプロダクトの開発が活発化することを目的に掲げていました。
・ハッカソン開催中の休憩時間はきちんと確保する
プログラマー達がストレスを感じることなく作業に取りかかれるように、片手でも食べやすい食料(ピザ etc.)や飲み物を豊富に用意することが重要です。
・参加者全てに契約書にサインさせる
ハッカソン開催後に参加者と揉めないためにも、事前にハッカソン開催中に創り上げられたプロダクトの知的所有権がどこに属するのか、参加者に理解してもらうことが必要です。
最後に
ハッカソンはトラフィックを獲得する手段としても非常に有効ですが、開催の仕方によっては、IMUZIKのように開催企業のエンジニアリング・パワーとして活用することも可能です。
才能あふれたプログラマーやエンジニアが一つの屋根の下に集うハッカソンを、今後より多くの企業が活用していくことに期待しましょう。