「グロースハックはマーケティングじゃねぇんだよ」
「何してますか?忙しいですか?グロースハックしてもらってもいいですか?」
「まだマーケティングで消耗してるの?」
「グロースハックを! ウグッブーン!! ゴノ、ゴノグローブッヒィフエエエーーーーンン!! ヒィェーーッフウンン!! ウゥ……ウゥ……。ア゛ーーーーーア゛ッア゛ーー!!!! ゴノ! グロ! ハックガッハッハアン!! ア゛ーーグロースハックを! ゥ伝エダイ! その一心でええ!! ィヒーフーッハゥ」
タイトルは最後まで悩みましたが、最後のエントリーは真面目に、予てより本媒体をご愛顧頂いている皆様に素直に現在の想いをお伝えしようという結論に至りました。
本日を持ちまして、私森竜太郎は、昨年の11月より執筆を続けて参りましたgrowth hack japanのライティング及び運営担当から退職する運びとなったことをここに報告致します。
私事で大変恐縮ではございますが、半年以上にわたって本ブログをご支援頂いた読者の皆様、運営に協力頂いた関係者の皆様に、この場を借りて深く御礼申し上げます。
僭越ながら、growth hack japanを通じて学んだプロダクトの成長に関するノウハウ、今後の活動予定、そして皆様へのお願いなども以下に掲載致しました。
どうか最後までご覧頂ければ幸いです。
growth hack japan
マーケティングのマの字も、グロースハックのグの字も分かっていなかっただろう昨年末、私は当時勤務していた株式会社Vapesよりgrowth hack japanの立ち上げを命じられました。
TechCrunchを含む米系テックニュースを定期的に講読していたとは言えど、自ら情報を発信するほどの知識は皆無。
もちろんそんなブログに人が集まることはなく、1ヶ月以上はほとんど誰にも見てもらえない状況が続きました。
そんな現状に何度もプレパラートのハートが折れそうになりましたが、仕事は仕事。
自ら積極的に学習を重ねたことはもちろん、同系ブログを執筆する先輩からブログの書き方を教わったり、当時の同僚や友人に拡散を依頼したり、多くの皆様に助けられながら数多くの皆様にご覧頂けるブログへと成長しました。
私個人の学習内容を記録する役割も担っていたgrowth hack japanがここまでの成長を遂げたのは、偏に皆様のおかげです。
ひとつひとつのツイートやいいね!が、皆様と共に学習を深めているという実感が、growth hack japanを通じて得られたひとつひとつの出会いが、本日までの執筆活動を後押ししてくれました。
本当に、本当にありがとうございます!!!
growth hack japanの功罪
growth hack japanにおける執筆活動を通じて、微力ながら日本における「グロースハック」という概念の普及に貢献したことは、一つの事実だと捉えています。
開発とマーケティングが明確に切り離されていた一昔前の考え方に僅かながら変化を与える役割を果たし、結果として多くの皆様から反響を頂いた事は本ブログを通じて達成したかった目標の一つであり、その結果には決して満足していない一方で、本業務から身を引くひとつのきっかけになりました。
一方で、グロースハックという言葉が一人歩きし、一部に誤った理解が広がってしまったことも事実。
これに関しては、知識・説明不足のまま執筆活動を行っていた私も勝手ながら責任を感じており、深く反省している次第です。
過去記事を通して正しい理解の普及に努めてきたつもりではございますが、自身に対する戒めの意も込めて、本記事においても改めてプロダクトの成長に関する根本的なノウハウを共有したいと思います。
プロダクトが命
「顧客が価値を見出せないプロダクトにいくら小手先の施策を講じても無駄」
複数の記事を通じてお伝えしてきた、プロダクトの成長の根本にある考えの1つです。
あなたのプロダクトはどんな問題や課題を解決するのでしょうか?あなたのプロダクトにしか提供できない価値は何でしょうか?このプロダクトがなくなった時、いったいどれほどの人が悲しみや落胆を示すでしょうか?
growth hack japanで紹介してきた海外の著名プロダクトが講じてきた細かな施策の数々は、根本的な価値を際立たせるための技であり、それら自体に価値がある訳ではありません。
以下の過去記事などを参考に、今一度プロダクトの価値について再考してみてください。
その先には必ず急速な成長が待っているはずです。
参考:
「好きより価値を追求しろ」ネットの覇者アンドリーセンが語るプロダクト論
成功するために、グロースハックはマーケティングよりもプロダクト開発に焦点を当てなければいけない
「グロースハックとは」 FB、Twitterの成長請負人が語るあなたの考えを覆すグロースの真実
継続ユーザーの育成が肝
グロースハックという概念とともに、AARRRというコンバージョンの捉え方も広く普及しました。
AARRRの普及に伴って、総ダウンロード数や累計PV数といった指標の重要性が低下し、より細かで、緻密な解析を通じてサービスの成長に貢献する指標が注目を浴びるようになったことは、ウェブサービスやアプリの開発サイド全体にとって非常に前向きな一歩であったことに疑いはありません。
しかし、AARRRの中でも特に注目を集めるのはAcquisition(ユーザー獲得)とReferral(紹介)の2つ。
海外のどの急成長プロダクトも最重要視していると言って過言ではないRetention(継続利用)の重要性は、今後より深く認知されるべきだと考えます。
プロダクトをこよなく愛するユーザーが増えれば、その後のReferralやRevenueの基礎は整います。
以下の2つのコホート分析グラフを見れば継続ユーザーを育成する事の重要性は明らかであり、サービスが迎えるフェーズにもよりますが、今後はより多くのグロースチームがリテンションの優先順位を高めてプロダクト全体の改善に努めていくべきでしょう。
(継続を疎かにした結果、新規ユーザー獲得が減少すれば今にも収益が激減してしまう状況。ZyngaやGrouponがこの最たる例。)
(フェーズごとの獲得ユーザーは比較的少量だが、継続ユーザーが多い分、持続的な成長が可能。)
*画像: Customer churn can kill your startup
徹底的な顧客開発
プロダクトの価値を高める事も、リテンションを最適化する事も、全ては徹底的な顧客開発から始まります。
顧客開発の重要性は、グロースハックに限らず、コンセプトの大部分を共有するLean UXやLean Startupでも説かれています。
優秀だからこそ頭でっかちになってはいけません。
まずはオフィスを飛び出しましょう。
ユーザーや見込みユーザーの声に耳を傾けることが、急速な成長の推進力となるはずです。
固定観念からの脱却と失敗を責めない文化
顧客開発の重要性に関連して、制作サイドは常に自身が持つ固定観念に囚われない強い意識が必要です。
固定観念に基づいた仮説構築は改善フローのファースト・ステップとして誰しもが通る道ですが、より大切なのはその先にある検証作業。
「100回試して80回失敗する事も当たり前」という言葉を忘れずに、自身が正しいと信じる考えが間違いである可能性を常に胸に留めておきましょう。
また、周囲が間違いを犯したとしても、それを責め立ててはいけません。
チーム全体が挑戦の結果生まれた失敗を許容する文化を醸成しましょう。
「そもそも失敗とは、多くの場合成功するまで続けなかったことが最大の原因」
このくらいのリスク許容性を持っていてもなんら問題はないでしょう。
左脳同様に重要な右脳
数値データに基づいた改善作業は、あくまでグロースチームのタスクの1つでしかありません。
チームや社内に創造性を尊重する環境と文化を育みましょう。
コピーライティング、デザイン、チャネルの発掘など、著名サービスの成長は、左脳と並んで右脳をフルに駆使した結果と言えるのです。
「グロースハッカー」は不要
ライティング、デザイン、プログラミング、データ解析、マーケティング、コミュニティ・マネージメント…
そもそも「グロースハッカー」とは、これら全てをたった独りで実行し、プロダクトの成長を請け負う人材として注目を集めました。
しかし、深く考えなくてもこんな人材がうようよ存在するわけがなく、こんな人材がプロダクトの成長に必要不可欠ではないことも明白です。
もちろん「グロースハッカー」の定義に未だ確固たるものは無く、役職に「グロース」が付くことで意識が高まるというなら話は別ですが、名前だけが先行してタスクの責任所在地が曖昧になっては元も子もありません。
必要なのはこれらのタスクを総合的に実行できるグロースチームであり、今まで各部署が孤立して存在していたのなら、その壁を取り払うことこそが開発サイドには求められているのです。
growth hack japanと私個人の今後
以上、最後ということもあり色々と好き勝手物申してみましたが、タイトルの「退職」という言葉からも分かる通り、株式会社Vapesが所有するgrowth hack japan自体は私とは別のライターの皆様の力によって今後もメディアとして存続します。
メインのライター及び運営担当者が変わればメディア全体の趣向にも多かれ少なかれ変化が生まれることが予想されますが、今後growth hack japanを引き継いで頂く皆様には、上記で述べたプロダクトの成長に関する理念を基に、質の高い記事をより多くの皆様に届けて頂きたいと心より願っております。
僭越ながら私個人の直近の活動予定に関して記述いたしますと、今後は様々な社会問題(詳細は後述)をインターネットとデータの力を通じて解決するために、まずは私が出来ることやるべきことを画策したいと考えています。
ソーシャルビジネスや非営利活動とは異なるビジネスとしての大きな可能性を感じていることはもちろん、特に途上国における社会問題は大学時代より研究を重ねてきた分野であり、自身の情熱とユーザーに提供出来る価値が最も高い位置で交わる分野であるとの考えからこの道を志す決断に至りました。
現在は会社を建てることも十分視野に入れてリサーチやヒアリングに多くの時間を割いていますが、正直言って起業単体にはあまり興味がなく、私と私の理念やビジョンに共感してくださる同志が主体となってサービスを提供する意義が見出せた場合にのみ、起業に踏み切りたい所存です。
つきまして、宣伝のような形となり大変恐縮ではございますが、
①同分野に興味関心がある、
②(growth hack japan書いてた森竜太郎と)社会的インパクトの大きいビジネスに取り組みたい、
③手が空いてるし、困ってるんだったら頭脳とスキルを貸してもいい、
という3つの内いずれか一つでも当てはまる方がいらっしゃれば、是非とも私のFacebook個人アカウントまでご連絡頂ければ幸いです。
注文をつけるようで大変申し訳ございませんが、①エンジニア、②データサイエンティスト(統計・金融工学など)、③(特にネット金融・決済関連サービス系)ビジネス立ち上げ経験者の方がいらっしゃれば、極力時間や場所のご希望にお応えする形でお伺いいたしますので、何卒宜しくお願い致します。
ずば抜けて頭が言いわけでも口がたつわけでもありませんが、経歴から今後の展望に至るまで色々とお話出来ればと思います。
暇つぶしにでも構いませんので、ご連絡を心よりお待ちしております。
最後に
長々と大変失礼致しました。
重ね重ねになりますが、本日まで私がメインで執筆を担当してきましたgrowth hack japanをご愛読頂き誠に有り難うございます。
運営体制は変わりますが、growth hack japanは今後も皆様に有益な情報をお届けすることを目的に存続致します。
変わらぬご愛顧を賜りますようどうか今後とも宜しくお願い致します。
・・・・・・長い間!!! くそお世話になりました!!!
この御恩は一生・・・!!! 忘れません!!!
素晴らしい経験を有り難うございます!!!
*Twitterを始めてみます。
Ryutaro Mori ( @pantbutter )
*東京都心で格安で住めるお家探してます。
心当たりのある方は、Ryutaro Mori ( Facebook )までダイレクトメッセージお待ちしております!