学生グロースハッカー、増えましたね
学生向けのアルバイトやインターンシップの情報サイトを見ると、グロースハックに関する業務の求人情報をよく目にするようになりました。弊社「セカイラボ」でも2名の学生をアルバイト採用し、日々グロースハック業務に携わってもらっています。
なぜ学生を雇ってグロースハッカーにするのか?
アルバイトやインターンシップで学生を採用してグロースハックしてもらう理由は、主に2つあると思います。1つは「人手が足りない」からです。グロースハックが日本でも浸透し始めた一方で、グロースハック専任の人を採用するには、さまざまな理由があり未だに難しい場合が多いです。そのため、グロースハッカーはどうしても他の業務と”兼任”になってしまいますが、これだとサービスの改善や成長速度が上がりません。
もう1つは「新しい視点や考えがほしい」からです。立ち上げ当初からサービスに関わっていると、どうしても「これが最適だ」「今の設計や情報は正しい」と無意識に思ってしまい、改善ポイントを見落とす可能性があります。そこで、フラットで新しい視点や考えを持った学生を採用することで、より多角的にサービスを改善することができます。
グロースハッカーになりたい学生に伝えたい6つの心得
当たり前ですが、企業でグロースハックを経験したことのある学生なんてほとんどいません。なので学生を採用した後、会社は学生をグロースハッカーに育てる必要があります。では、学生がグロースハッカーとして育つためには何が必要なのでしょうか。グロースハックに関する知識は、書籍やブログなどを探せば情報はいたるところに転がっています。ツールの使い方は、ツールのヘルプやブログ記事を探せば大体のことは解決します。
私が学生に求めることは、グロースハッカーとしての心得を早めに持つことです。今回は、実際に私が学生をグロースハッカーに育てる中で大切だと思った、グロースハッカーとしての心得を紹介します。
1. チームメンバーやユーザーと同じ情報源を持とう
チームメンバーと同じ情報源を持ちましょう。チームメンバーとディスカッションをするときに、同じ情報源を持っていれば「そういえば◯◯の今日の記事の中で…」とすぐにディスカッションを始めることができます。新社会人が会社の上司から「日経を読め!」と言われるのも、お客さんと共通の情報源を持つことでコミュニケーションができるようにという理由があります。普段どんな情報源から情報を得ているのか、チームメンバーに訊いてみましょう(もちろん読まなければ意味が無いですからね!)。
また、グロースハック対象のサービスの想定ユーザーと同じ情報源を持ちましょう。ユーザーは普段どんな情報に接しているのか、どのような言葉が使われているのか、配信される時間・読む時間はいつだろうか、といったように分析をしましょう。これも上記と同じく、想定ユーザーと同じ情報源を持つことで、よりユーザーのことを知りコミュニケーションをとれるようにするためにです。
2. 失敗してもいいから数を最大化しよう
学生さん、失敗するのは怖いですか?失敗すると怒られるし、自信を無くすし、もしかしたらクビにされると思ってませんか?弊社で採用した学生も、1週間かけて1つの改善案が出てくることがありました。改善案の成功数を増やすためにまず成功率を上げることを考えがちですが、初めは成功率ではなく施策数を増やすことを意識しましょう。
成功率を上げることは簡単ではありません。経験に左右される部分もあり、学生に初めから高い成功率を求めることはしません。それよりも施策数を最大化してください。成功率を上げずに施策数を増やすわけですから、当然失敗の数も増えます。その度に落ち込んでいてはしょうがないので、失敗しても挫けずに、すぐにまたグロースハックの打席に立ってください。
3. 常日頃から引き出しの数を増やす努力をしよう
施策数は一般的に改善対象×改善案でできています。改善対象の見つけ方は書籍やブログ記事に多く書いていますが、改善案の出し方はあまり載っていません。改善案を多く出すには、知識の引き出しの数の多さが重要です。例えば、文章の改善では語彙力が求められますし、ユーザー体験の改善では自分の過去の体験が大きなヒントになるときもあります。
引き出し数は意識していないと増えません。Webサイトを見るとき、何も考えずに見るのと言葉や導線を意識して見るのとでは、得られるものが違います。また、普段の生活のちょっとした経験や気づきがサービスに活きることもあります。日常生活の全てがグロースハックに活きると考えて、ちょっとしたことも取り逃がさないように、常に引き出しの数を増やす努力を意識的に行いましょう。
4. 解析ツールを触るときはなるべく目的を持とう
解析ツールはインターネットブラウザと同じくらい時間を潰せるツールです。解析ツールを使いこなせるようになると、データを見ることそのものが楽しくなってくるはずです。こうなると解析ツールはWebブラウザみたいなもので、目的がなくても何時間でも眺めていることができます。私自身、データを見るのが楽しくてGoogleAnalyticsを触っていたら1日が終わってしまった、なんてことがありました。
データを見るのが楽しいのは良いのですが目的を持って解析ツールを触らないと、多くの時間を費やしたのに何も得られない、なんてことになってしまいます。解析ツールを触るときは目的を明確にした上で触りましょう。ただし、解析ツールを触っていたら「たまたま」問題点を見つけることもあるので、目的がないなら触るな!とは一概には言えません。
5. データの裏にはユーザーの行動があることを常に意識しよう
解析ツールを使いこなせるようになると、データ(数値)をより深く見れるようになります。Aという数値とBという数値は因果関係にあるからAを増やせばBも増えるはず、といったように定量的に、現象を数式化できるようになります。これは良いことなのですが、なぜAとBに因果関係があるかを深く考えていますか?
あなたが見ているデータの裏には、必ずユーザーの行動や感情があることを意識しましょう。解析ツールは数値を生み出しているのではなく、ユーザーの行動や感情を間接的に数値化しているだけです。施策や報告には定量的観点が求められますが、その裏には必ずユーザーの行動や感情があるので、これを無視したデータ遊びにならないように気をつけましょう。
6. 手法やフレームワーク、ツールにとらわれないようにしよう
グロースハックの手法やフレームワーク、解析ツールでできることに詳しくなると、いつのまにか「今わかる・できること」ベースで考えてしまい「わからないこと・できないことは仕方がない」と思うようになってしまいます。この状態になってしまうのは非常に困ります。
「今わかる・できること」ベースで考えるのではなく、「実現したいこと」を目標に、そのためにゼロベースで物事を考えましょう。必要であれば既存の枠を壊し、フレームワークを無視して、解析ツールに頼らないこともやってください。実現したいことのためなら手段を選ばない、という意気込みで取り組んでください。もちろん公序良俗は守って下さいね。
まとめ
以上が、実際に私が学生をグロースハッカーに育てた中で大切だと思った、学生に持ってほしい心得でした。インターン採用された学生は、初めはどうしても業界知識やグロースハックの手法・フレームワークや解析ツールの使い方に意識がいきがちですが、グロースハックの目的を明確にし、大局観を持って仕事に取り組んでもらえればと思います。